ハチミツの健康効果と選び方
1.ハチミツの健康効果
ハチミツは、実は8000年前の石器時代から人類の間ですでに使用されていました。古代エジプ
トでは、すべての病気にミルクとともにハチミツを使用していました。古代ギリシャでは、疲労
回復にハチミツが良いとされていました。医学の祖であるヒポクラテスは、発熱に対してハニー水
やハニービネガーを使用しており、脱毛や創傷治療、便秘や咳嗽などの風邪症状、目の病気や皮
膚感染症にもハチミツを使用していました。イスラムの世界でも、イスラム教の経典として知られ
るコーランの中にハチミツの効能を謳う文言が出てくるほど、ハチミツの健康効果がよく知られ
ていました。インドのアーユルヴェーダでも、風邪症状、虫歯や歯周炎、不眠、皮膚病、不整脈、
貧血、視力改善などに使用されてきました。漢方医学でも、例えば当院でも推奨している紫雲膏
にミツロウが使用されていたりと、ハチミツは重宝されてきました。
このように、古代から人類に利用されてきたハチミツですが、現代医学においても、ハチミツ
が様々な病気に対して効能を示すことが明らかになってきました。下痢や脱水にもハチミツが良
いこと、ハチミツ摂取が虫歯予防・治療になること、創傷治癒を高めること、脳を活性化するこ
とにより、うつ病や不安神経症に効果があること、さらには抗がん作用があることなどが明らか
になってきています。
2.ハチミツは基礎代謝を高める
ハチミツに含まれるフルクトース(果糖)やグルコース(ブドウ糖)は、ミトコンドリアでの糖
のエネルギー代謝を高めます。細胞は必要なエネルギーを、ミトコンドリアでグルコース(ブドウ
糖)を燃焼することによって得ています。特に筋肉細胞(活動時)や脳細胞や赤血球などは、原
則として糖(グルコースやフルクトース)をエネルギー源として利用します。とりわけ注目すべき
は、ハチミツにはフルクトース(果糖)が豊富に含有されていることです。ハチミツの種類にもよ
りますが、およそハチミツ全体の糖質の20~40%はフルクトースなのです。
実は、ハチミツに含まれているフルクトースとグルコースの組み合わせがミトコンドリアの糖の
エネルギー代謝にとって非常にプラスに働くことが、様々な研究からも明らかになってきまし
た。この糖質の組み合わせもさることながら、ハチミツに豊富に含まれている他の糖
質・脂質・タンパク質(花粉に含まれている)・ミネラル・ビタミンなども同時に摂取されること
により、より一層健康効果がもたらされると考えています。
3.どのようなハチミツが良いのか?
1. 大量生産されていない蜂蜜であること、2. ミツバチに(人工的な)餌(砂糖やシロップ)が与
えられていないこと、3. 出来るだけ非加熱であること、4. 殺虫剤や抗生剤が使用されていな
いこと、5. 採取されている地域の土壌が汚染されていないこと、6. 濾過のプロセスが自然に
近いこと、7. プラスチック容器に入っていないこと、8. 花粉が含まれていること、9. シロッ
プ(HFCS)などでカサ増しされていないこと。
上記9つの条件をすべて満たすハチミツは、おそらく日本全国でも数えられるほどしかないでしょ
う。